鰹節(かつおぶし)の歴史 にんべんの歴史

315周年を迎えた日本橋にあるにんべんの社長さんにお話を伺いました。

まだ日本橋に魚河岸のあった、元禄12年(1699)、創業者が日本橋四日市の土手蔵(現日本橋一丁目野村證券の本社付近)で、戸板を並べて鰹節と塩干類の商いを始めたのだそうです。
その後、宝永元年(1704)、屋号を「伊勢屋伊兵衛」とし、小舟町に鰹節問屋を開業したのだそうです。
「にんべん」となったのは昭和になってからですが、「伊」勢屋「伊」兵衛の屋号の文字から、江戸時代から「にんべん」と呼ばれていたのだそうです。

 

katuobushi鰹節の歴史は
700年台には鰹節の原型ができてきたようですが、最初は干すのみだったとか。
その後、煮て、いぶしてという技術が取り入れられ、
錦絵には小刀で削ったりしている絵が出てきているのだそうです。
今のようにカンナで削るようになったのは江戸時代中期からだとか。
そして、江戸末期から明治にかけて、本枯鰹節(ほんがれかつおぶし)という「かつおぶしかび(麹菌の仲間)」を何回もつけて水分をとって長持ちできるようにする鰹節が作られていったのだそうです。
関西の鰹節は「荒本節(あらほんぶし)」といってカビ付けはしないのだそうですよ。

 

この本枯鰹節(ほんがれかつおぶし)にすることで

  • 水分15%という世界で最も堅い食品になり
  • 酸化を防いで長持ちする食品になり
  • 脂肪を分解して
  • カビによる酵素が香りを作り出す

という特徴が出てくるのだそうです。

商品として売っているものは袋の封を切らなければ2年、封を切った場合には冷蔵庫で1年とはなっていますが、実際にはすごく長持ちするもので、20年前の鰹節を食べても、風味が落ちて入るけれども食べられる保存食なんだそうです。

 


おまけ
火事の多かった江戸にあって、関東大震災時の火事で店舗が燃えてしまうまで、一度も火事にうことのなかったにんべんでは、お正月に店舗前に飾るにんべんの門松の松が、火除けのお守りとして、抜かれることが多かったとか。