花の雲 鐘は上野か 浅草か  (芭蕉) 上野

上野公園って、正式には上野恩賜公園(うえのおんじこうえん)っていうんですね。
明治6年の太政官布達によって、芝、浅草、深川、飛鳥山と共に、日本で初めて公園に指定されたのだそうです。

広々とした上野公園の中央あたり、上野大仏の道を隔てて向かい側、精養軒の隣に、江戸時代からつかれている時の鐘があります。

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時の鐘は、はじめ江戸城内でつかれていたが、寛永3年(1626)になって、日本橋石町3丁目に移され、江戸市民に時を告げるようになったという。元禄以降、江戸の町の拡大に伴い、上野山内・浅草寺のほか、本所横川・芝切通し・市谷八万・目白不動・目黒円通寺・四谷天竜寺などにも置かれた。

この鐘は寛文6年(1666)の鋳造。天明7年(1787)に鋳直されたものだそうで
現在も朝夕6時と正午の3回、疲れているのだそうです。
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落語の芝浜で時を間違えて魚河岸に行った魚屋の噺にも、鐘の音の話が出てきますが、今と違って時間を調べるのは、時の鐘と太陽の位置だったのでしょう。その当時の鐘の音が今も上野の森に響いているというのは、時空を超える何かを感じる気がします。
残念ながら、今日はその音色を聴くことができませんでしたが。