元禄12年(1699)、日本橋四日市の土手蔵に戸板を並べて、鰹節と干魚類の商いから始まったという日本橋のにんべん。
創業者の高津伊兵衛さん(幼名を伊之助)は、当時20歳だったそうです。
今では 鰹節=にんべん、日本料理のだし=にんべん、とすっかり定着していますよね。
その、にんべんの 日本橋にある本店は、一歩足を踏み入れるとかつおぶしのいい香りに包まれます。店内でかつお節を削っているので本当に深い香りに満ちていました。
ここでとても興味深いのが、軽く喫茶、食事ができる「日本橋だし場」というコーナー。テイクアウトもでき、そこでちょっと立ち飲み、立ち食いもできるコーナーです。
おかかをのせた「かつぶしめし」、季節の具材が入った汁物、「和」の惣菜などなど・・・。一般的なだしを使っている料理に交じって、おやつセットというのがあります。
「ちょっとお茶していこ!」
という感覚で、だしとおせんべいがセットになっています。(写真右)
かつお節のだしと、かつお節に昆布で合わせだしを取ったものがありますが、どちらもしょうゆや塩がはいっていません。テーブルに砂糖ならぬ塩としょうゆが置いてあります。だし汁は顔を近づけるとかつお節のい~い香りが漂ってきます。塩もしょうゆもなしで十分おいしくいただける味で、日本人の大好きなほっとする香り、ほっとする味です。
お茶やコーヒーではなく、だしだけでおやつになる、おもしろい体験をしました。
日本人の味ですね。