かっぽれ

江戸芸かっぽれは江戸末期、大阪の住吉大社の住吉踊りをまねて、願人坊主(がんにんぼうず)たちがアレンジを加えて作られていった踊りだという。

願人坊主といえば、林家正蔵氏(八代目)の五月雨坊主というお噺の中では、「願人坊主は江戸の名物みたいなもので、お坊さんの代参ができるような経文をかじるものもいたり、家の門口に立ってその家が○○宗だというのを見極めてそれにより経の読み方を変えたりしてお賽銭をもらう坊さんもいるし、中には芸のあるものが住吉踊り、かっぽれを踊ってこれで設けているものもいる。のちにこれが梅坊主の元祖になる、という雑多な坊主がいた」と説明している。
「五月雨坊主」は、いつもお店(たな)の門口で適当な経(きょう)を読み金の無心をしていただけの願人坊主が、お店のお嬢さんを悪者から救い出し心の傷もいやしてやる。そして、そのお嬢さんの立派な結婚式当日。正客として式に招かれているにもかかわらず、晴の式には自分は似合わないと、婚礼の場からは見えないところで、住吉踊りを踊る。というちょっとじんとくるお噺がである。

染め浴衣に平ぐけ帯。「よっ、粋だね」と声をかけたくなるような姿の踊りが、
深川江戸資料館の火の見やぐらの前「伝統江戸芸かっぽれ 寿々慶会」の人たちが見せてくれた。
伊勢音頭、深川、やっこさん、木やりくずし、かっぽれ。
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