「初物を食べると、七十五日長生きする」というんだそうです。
江戸の時代、初鰹(はつがつお)が特に有名で「かかあを質に入れても食べなきゃ」というくらいだったそうですよ。
志の輔さんの落語の中では「もちろん隣のかかあですけど」の落ちがつきますけど。
毎年お正月にマグロの初競りで今年はいくらだった、という金額をききますが、江戸時代の初鰹も高値で扱われたということで、初物は寿命が延びる、とされるほどいいものだったんですねぇ。
ということで、今までは目もくれなかった「ふきのとう」を食べたくなりました。
ほんの少しだけ衣をつけててんぷらにすると、柔らかくてほろ苦い、春の香りが口の中いっぱいに広がりました。
もうすぐ立春。これで75日寿命が延びます。
いくつまで生きるんだろう・・・
蕗の薹の 舌を逃げゆく にがさかな
高浜虚子